皆様、新年あけましておめでとうございます。
今年ものんびりと、好きなゲームについて、書いてゆこうと思います。
さて今回、ご紹介させていただくゲーム(いや作品というべきかもしれません)は、個人的にCRPGのマスターピースであると感じた本作、Nox Archaistです。
この画面を見た人における第一の反応は「これがマスターピース?作りが古すぎじゃね?」だと思います。少なくとも大半のゲーマーは、そういう反応を示すでしょうし、わたしもそれは否定しません。なぜなら、本作Nox Archaistは、Windowsネイティブで動作するゲームではなく、Macでもなく、なんとApple II(!)で動くように作られており、あくまでApple IIエミュレーター上で動作しているからです。従って、Apple IIの実機をお持ちの方は、そちらで普通に動かせるゲームなわけです。Nox Archaistが売り出されたのは比較的最近(2020年)であるにも関わらず、やはりオールドタイマー向けのゲームなのです。
わたしはその世代ではありませんし、Apple IIでゲームをしたこともありませんが、この時代に生まれたゲームへの畏敬の念はあります。なぜなら、今日わたしたちが遊んでいるゲームの原型は、その時代に生まれたものだからです。別にレジェンド開発者たちへのお世辞で、形ばかりのリスペクトをしているのではなく、実際に本作を遊んでみて、その凄さの片鱗に触れたからなのです。
実際、本作には、Ultimaシリーズの生みの親である、リチャード・ギャリオット卿もゲスト出演しているのもあり、本物のレジェンドが認めたゲームであるとも言えます。ちなみに、とあるお城には、ChucklesならぬGigglesというクラウン(道化)がいたりしますが、これもUltimaシリーズへのオマージュを感じますね。
実は日本語マニュアルが付いている
そう、本作は日本で売れることを期待して、いや、日本のオールドタイマーへの愛かもしれませんが、かなりしっかりとした内容のマニュアルが付属しています。それも日本語に翻訳されているため、まずこれを熟読することで、このゲームの難しさが、いくぶん軽減すると思います。義務で読めというわけではないのですが、操作説明を得るためにわたしも読み始めたところ、これがまた、マニュアルだけでご飯が食べられそうなくらい面白いのです。それは著作権的に中身をお見せしてはいけないだろう、と思いますので、買ってプレイした方のみが楽しむことのできる権利、ということにしましょう!
本当に面白い内容なので、できることなら皆さんにもお見せしたいんですけどね・・・。
一筋縄ではいかない冒険
Nox ArchaistはオープンワールドRPGです。そして、NPCたちから情報を引き出すには、キーワードを入力して、会話を進める必要があります。向こうから自動的にクエストがやってくることは、めったにありません。これは最近の若いゲーマーには、珍しく映る仕様かもしれませんが、古くはCRPGの古典Ultima Vあたりから一般的になった、もっと言えばアドベンチャーゲームの名作ZORKなどでも採用されているシステムです。
この画面では、池の近くで遊んでいる少年との会話ですが、彼は自分からErartと名乗ったのではなく、プレイヤー側が「NAME」というキーワードを入力することで、引き出せた情報です。ほかにも「JOB(仕事)」などを入力しても、そのNPCの個人的な情報が聞き出せることがあります。もちろんユニークなキーワード、つまりゲームの進行に携わる重要な単語により、初めて判明する情報もある。このように、プレイヤーは能動的に聞き込み捜査を続けることで、ゲーム目的を達成することができるわけです。本作はそういう構造になっています。Nox Archaistが難しいと言われるのは、そのためでしょう。しかし、それが受動的でリニアーなCRPGにはない、冒険の実感という手ごたえを与えてくれるとも言えます。
正直、わたしはこのゲームには日本でこそ売れてほしい
日本語マニュアルを作ってもらったことへの感謝もありますが、今日、Steamにも氾濫している受動的なJRPG Likeばかりやっていては、本物の冒険心を失うだろうと思っているからです。
たしかにNox Archaistは見た目が古く、また一見さんお断りなゲームにも見えるため、あまり日本では売れていないように見受けられます。ですが、本作に触れた方のほとんどはサムズアップをしている。この事実から、このゲームが本当に面白いものであろう、と推察できることは容易でしょう。
これは決して快適なゲームではない。ですが、快適な冒険などないのです。返り血と泥にまみれ、風呂にも入れず、硬い地面と木の根っこを枕にして眠る旅に、快適性などあろうはずもない。でもそれが、冒険者の日常なのだとわたしは思っています。だからこそ、町にたどり着いたとき、安全な宿屋の熱い風呂と、柔らかいベッドがありがたいものに感じられる。それを仮想的にでも体験できると思えば、楽しいじゃないですか。
単刀直入に申しますが、コアゲーマーを名乗るのであれば、四の五の言わずに買ってくださいw
DLCもありますし、きっと旅はそう簡単には終わらないでしょう。わたしも開発者の皆さんのやる気に答えたいと思う一心で、この記事を*勢いで*書いています。別にお金を貰っているわけでもないし、案件でもありません。ただの、いちファンとしての意見です。
やるかやらないかだ。試すなどない。